投稿日: 2020/06/27

雲竜ビルはり治療室・雲竜漢方薬局

「鍼灸古典をたずねて」(4)

1-3 三焦
 三焦は今日では不可解な臓器であるためいろいろな仮説が出ている。ここでは古典を引用して参考にする。
 難経の三十一難に、三焦は何を稟けて、何に生じ、何に始まり、何に終わるや、其の治は何を常とする。 三焦は水穀の道路、気の終始する所也。 上焦は心下下膈に在り、胃の上口である。内れるを主り出さず、 治穴は膻中穴。  中焦は胃の中脘に在り、上らず下らず、水穀の腐熟を主る。  治は臍の両傍・天枢穴に在る。 下焦は、膀胱の上口に在り、水分の清濁を分別する。内に入れ出す。治は脩下に在り(関之穴)と述べている。これは解剖的で次の六十六難注釈に、下焦腎間の動真元の気すなわち原気なり(腎間とは関元、気海穴の部位、さきの腎の左は命門なりで命門の出る処精気と真元の気は同一のものと考えている)。
真元の気上達し中焦に至る。中焦は水穀精慓の気化して栄衛の気となる。真元の気栄衛の気共に上達し上焦に至る。上焦で原気となり十二経にめぐる本文十二経みな兪をもって原となす何ぞや、然るなり五臓の兪は三焦の行く処なり、気の留止する処なり。
 三焦の行くところ兪を原となすは何ぞや、然る也、臍下腎間の動気、人の生命也、十二経の根本也、故に名づけて原となす。原は三焦の尊号也、故に止まる所を原となし、五臓六腑の病有る者は皆その原を取る也。
 以上で生理面が大体解明すると思う。三焦は名ありて形なし(三十八難)と云われ、他の臓腑の上位で生命元として、五臓六腑の総括的存在であることに注目されたい。この原気や栄衛の気が通ずる経(みち)を経脉と考えたのである。
 その時の都合によって、五臓五腑、五臓六腑、六臓六腑と勝手に変更し使い分けられた臓腑の解剖生理を基盤とした上に組み立てられたのが古典の病理観である。
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